26の巻

「箸でハエをはさんだ」のは岩国出身の剣客 宇野金太郎!

 吉川英治著「宮本武蔵」の小説には「箸で生きたハエをはさむ」という有名なエピソードがあります。これは、幕末に活躍した岩国出身の剣客、宇野金太郎の伝説だったのです!吉川英治は、彼について熱心に取材し、このエピソードを「宮本武蔵」に登場させたといいます。
 宇野金太郎は、吉川家家臣を父に持ち、剣術を好んで岩国の片山一門に入っていましたが、幕末の三剣士の一人、島田虎之助に見込まれ東上し浅草の道場で修行しました。その後、千葉周作道場でも腕を磨きました。全国を武者修行に回り、ますますその名声が広まりました。
 「岩国に錦帯橋と宇野あり」といわれるほどの腕前で、桂小五郎とも立合い、圧勝しました。丈はあまり高くありませんでしたが、色白の美男子だったそうです。文久2年8月、突然病に冒され、39歳でこの世を去りました。墓は、錦見の普済寺にあります。
(ささえNo.39 2008年9月号)

「箸でハエをはさんだ」のは岩国出身の剣客 宇野金太郎!